週末の事①
私の友好関係はかなり狭く深い方だと思う。
そして異性で友達と呼べる人はほぼいない。
なので、Tくんという友人は私の中でかなり特異な存在だ。私とTくんは小、中学校が同じだったものの、在学中はさほど話したり仲良くした記憶がない。お互いが別の高校に進学して、なんとなくメールが着て、返信して、そうしてるうちに電話になって、そこでようやく気が合うということに気づいた。
彼は私と家庭環境が似ていたし、好みとか性格とか、結構似てるところが多いんじゃないかと思う。そんな彼と私の決定的な違いはその輝きといおうか、オーラといおうか。
私は俗にいうスクールカーストで言えば、可もなく不可もなく、な下層に分類される生徒だった。しかし彼の場合はそうはいかない。彼はスクールカーストのかなり上位にいて、幅広いタイプの生徒や先生から慕われていたように思う。なぜだか彼の周りにはいつも人がいるし、なんというか、とても魅力的なのだ。
だから私はそんな彼と仲良くできているのがすごく嬉しいし、ひそかな自慢である。
前置きが長くなったが本題に移る。金曜日、学校を終えて家に帰ったころ彼から電話が来た。時間が出来たので夕飯でもどうかというお誘いだった。
私はすぐにOKし、彼が来るのを待った。
それから私たちはファミリーレストランへ向かい、いつものようにとりとめのない話をした。彼には夢があるのだけれど、私は当たり前にそれが本当に叶うことなのだというふうに思っている。
なんというか、彼が言うとそうなるんだろうなという気がするというか、実現させるんだろうなという気になる。もちろん私はそれを応援している。でもそう遠くないうちに遠いところへ行ってしまうのかなと思うと少し寂しい。
言えるうちに言おうと思って最近は頻繁に彼に好きだということを伝えている気がする。ほかの友人に彼のことを話すと、いつか付き合いそうとか言われるけど、私にとって彼はそういう対象ではなく、本当に気の合う友人だ。たぶん彼もそれは同じで、私をそういう対象では見ていないと思う。
この先なにがどうなるかわからないけど、できればずっとこのまま仲良くしたいなと思う。良い金曜日だった。